大阪を拠点に活動している半グレグループの幹部・テポドンこと籠池勇介がYouTubeチャンネルを開設した。
半グレがユーチューバーになるとは不思議な時代だなと思うとともに、少し興味深いので軽く紹介してみようと思う。
半グレとは
近年勢力を拡大している「半グレ」と呼ばれる組織。簡単に説明すると集団で犯罪行為をする組織のことである。
旧来の暴力団とは何が違うのかというと、組のような決まったピラミッド型の組織ではなく地元の不良グループの延長線上の横並びの組織であることが大きな違いと言われている。
暴力団のように正式な盃関係はなく仲間や先輩後輩の関係で構成されていることが多い彼らは一般人と犯罪者の半々の存在、つまり「半分グレている」ということから半グレと呼ばれるようになった(諸説あり)
しかし暴力団とは別物の犯罪組織という定義ではあるが実際は暴力団の看板を使って犯罪行為をしていることが多い。
というのも彼らの収益源は主に詐欺、恐喝、キャバクラやガールズバー等の飲食店経営、裏DVDの制作販売、AV関連(スカウト、女優の事務所経営)など一般の人間がやらない裏ジャンルである。
この手のジャンルは決まって昔からヤクザのシノギになっていることが多い。なので暴力団に金を収めて組の看板を借りる(ゲソをつける)かケツを持ってもらうことで彼らは裏で働くことを認めてもらうのである。
言い換えれば締め付けが厳しくなり表立った活動ができない暴力団の手駒的な存在なのだ。
テポドンとは
テポドンこと籠池勇介は大阪にある半グレグループの幹部メンバーである。
彼が一躍その名を轟かせたのは2019年7月に放送された「NHKスペシャル」に登場したことだ。
元地下格闘家でK−1にも参戦した経験がある拳月(けんむん)という男がリーダーを務める「拳月グループ」の幹部メンバーとして出演。同放送内で彼らはまるで「裏社会のカリスマ」と言わんばかりの取り上げ方をされ、インタビューでは犯罪行為を行っているという噂を全面否定した。
しかしこれを見た警察組織は激怒。放送後に度重なる逮捕、再逮捕を繰り替えされる彼らだったが2020年2月19日、幹部であるテポドンが突如ユーチューブチャンネルを開設。2020年3月9日現在は2本の動画がアップされている。
1本目の動画では自身がこれから刑務所に入るということを赤裸裸に告白。テレビに出て警察を怒らせた後は表立った活動を控えていたっぽいが刑務所に収監されることが決定したので開き直ったというところだろう。
そもそもヤクザ、半グレと呼ばれる不良は自己顕示欲が強い。
犯罪を主な収益としているにもかかわらず自分は喧嘩が強い、いくら稼いでいるなどといった武勇伝を自慢をしたがる傾向は昔から変わらないものがある。
関東連合のリーダーであった見立真一やその敵対組織の木村兄弟のような「本物」の連中は写真を撮られることを異常に警戒し自分の存在を表に出したがるタイプではなかった。(松嶋クロスが雑誌でインタビューに登場したり石元太一が俳優デビューをしようとしたことはあった)
しかし近年の中途半端な不良は時代の影響なのか普通にSNSをやっていたりと表に出てくるのである。彼らにとってはデメリットの方が多いと思われるが、生まれ持った自己顕示欲を抑えることができなかったのだろう。
感想
かつては東京でも半グレが台頭していた時代はあるが警視庁の取り締まりや抗争の上の自滅など表で見る機会は減ったように思える。
大阪府警も半グレ対策に本気になっているようなのでかなりの数が淘汰されているらしいが彼らがいなくなったところで新たな組織が登場して同じことを繰り替えされるだけだろう。
個人的には裏社会で生きている人間は独特な雰囲気があり興味深い生き物なのだが、あくまで彼らがやっていることは犯罪行為。
人様に迷惑をかけて甘い汁を吸おうとするゴキブリみたいな連中はこの世から消えてもらいたいと心から願っている。
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